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2009年8月

政権交代!しかしその先にもっと大切なことが

 8/26付けの「しんぶん赤旗」に一橋大学教授渡辺治さんの「消費税増税と改憲への道」という談話があり、注目した。渡辺治さんは9条の会などでも活躍している人。民主党がマニュフェストに衆院比例定数削減を掲げていることの意味が中心的なテーマだが、政治闘争の現局面をよく言い表していると思われるので、転載する。
 端的に言って、比例定数削減のねらいは保守二大政党以外の少数政党をつぶし、純粋保守二大政党制を完成させることにあります。
 「構造改革」の矛盾が激発するもと、もう一度政治を「構造改革」と軍事大国化の枠内に抑え込むには、比例定数削減によって共産党など、はっきりと「構造改革」ストップを掲げる政党の議席を減らし、国民に保守二大政党の示す狭い選択肢しか見せないことが必要になったからです。

自民党以上に

 問題は、自民党以上に民主党が積極的に衆院比例定数削減を主張していることです。なぜでしょう。
 民主党は結党以来、第二保守政党として「構造改革」を競ってきましたが、07年の参院選では身を翻し反「構造改革」的な方針に転換しました。自衛隊の海外派兵にも基本的に賛成だったのがテロ特措法の延長に反対し、自衛隊のイラク撤兵を掲げる。「構造改革」の犠牲となった農家の個別所得保障や子供手当を打ち出す。アメリカや財界の求める第二保守政党からの明らかな逸脱でした。
 理由はいくつかありますが、一番重要なのは民主党の左側に確固とした政党、特に共産党がいたことです。民主党の左側に反「構造改革」と反軍事大国の旗がはっきりと立ち、国民もそれを見ている。いわんや「構造改革」に対する国民の怒りが高まっているときに、選挙に勝つには保守政党の位置にはとどまれなかったのです。
 いま国民の期待を集めている民主党の政策は、いずれも「構造改革」の枠から逸脱している部分です。民主党が政権の座に着いたとき、一番やっかいなのがこの部分です。財界や米国の要望に応えるにはいずれ「構造改革」に復帰しなければいけないからです。しかし、共産党などの圧力が強いと簡単には戻れない。比例定数を削減し圧力を切ってしまおうというのです。

反対押し切り

 比例定数削減は、実は国民の反対を押し切って「構造改革」や改憲を進める国家づくりの一環でもあります。  「構造改革」は大企業本位の社会をめざす改革ですから、絶えず国民の反発や怒りを買わざるを得ず、それを押さえるために憲法が定める国家構造を壊そうとします。
 その一つが議員定数削減ですが、「三位一体改革」による分権国家づくりもその一つです。分権の名の下に、国の責任を放棄して、地方自治体に「構造改革」を丸投げするものです。比例定数削減が国会を「構造改革」のしやすい形にするものなら、地方自治体を「構造改革」のしやすい形にするのが分権国家構想であり、公務員制度改革や官邸機能強化も同一線上にあります。いずれも自公だけでなく、民主党が積極的に主張している政策です。  こんな「改革」の結果は明らかです。国民が民主党に期待している政策はとても実現しないどころか、代わりに実現するのは財界やアメリカが切望する消費税増税や改憲です。
 比例定数削減は憲法、消費税と並ぶ大切な問題であり、国民はきちんと考え選択する必要があります。
(強調は引用者による)

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