経済・政治・国際

政権交代!しかしその先にもっと大切なことが

 8/26付けの「しんぶん赤旗」に一橋大学教授渡辺治さんの「消費税増税と改憲への道」という談話があり、注目した。渡辺治さんは9条の会などでも活躍している人。民主党がマニュフェストに衆院比例定数削減を掲げていることの意味が中心的なテーマだが、政治闘争の現局面をよく言い表していると思われるので、転載する。
 端的に言って、比例定数削減のねらいは保守二大政党以外の少数政党をつぶし、純粋保守二大政党制を完成させることにあります。
 「構造改革」の矛盾が激発するもと、もう一度政治を「構造改革」と軍事大国化の枠内に抑え込むには、比例定数削減によって共産党など、はっきりと「構造改革」ストップを掲げる政党の議席を減らし、国民に保守二大政党の示す狭い選択肢しか見せないことが必要になったからです。

自民党以上に

 問題は、自民党以上に民主党が積極的に衆院比例定数削減を主張していることです。なぜでしょう。
 民主党は結党以来、第二保守政党として「構造改革」を競ってきましたが、07年の参院選では身を翻し反「構造改革」的な方針に転換しました。自衛隊の海外派兵にも基本的に賛成だったのがテロ特措法の延長に反対し、自衛隊のイラク撤兵を掲げる。「構造改革」の犠牲となった農家の個別所得保障や子供手当を打ち出す。アメリカや財界の求める第二保守政党からの明らかな逸脱でした。
 理由はいくつかありますが、一番重要なのは民主党の左側に確固とした政党、特に共産党がいたことです。民主党の左側に反「構造改革」と反軍事大国の旗がはっきりと立ち、国民もそれを見ている。いわんや「構造改革」に対する国民の怒りが高まっているときに、選挙に勝つには保守政党の位置にはとどまれなかったのです。
 いま国民の期待を集めている民主党の政策は、いずれも「構造改革」の枠から逸脱している部分です。民主党が政権の座に着いたとき、一番やっかいなのがこの部分です。財界や米国の要望に応えるにはいずれ「構造改革」に復帰しなければいけないからです。しかし、共産党などの圧力が強いと簡単には戻れない。比例定数を削減し圧力を切ってしまおうというのです。

反対押し切り

 比例定数削減は、実は国民の反対を押し切って「構造改革」や改憲を進める国家づくりの一環でもあります。  「構造改革」は大企業本位の社会をめざす改革ですから、絶えず国民の反発や怒りを買わざるを得ず、それを押さえるために憲法が定める国家構造を壊そうとします。
 その一つが議員定数削減ですが、「三位一体改革」による分権国家づくりもその一つです。分権の名の下に、国の責任を放棄して、地方自治体に「構造改革」を丸投げするものです。比例定数削減が国会を「構造改革」のしやすい形にするものなら、地方自治体を「構造改革」のしやすい形にするのが分権国家構想であり、公務員制度改革や官邸機能強化も同一線上にあります。いずれも自公だけでなく、民主党が積極的に主張している政策です。  こんな「改革」の結果は明らかです。国民が民主党に期待している政策はとても実現しないどころか、代わりに実現するのは財界やアメリカが切望する消費税増税や改憲です。
 比例定数削減は憲法、消費税と並ぶ大切な問題であり、国民はきちんと考え選択する必要があります。
(強調は引用者による)

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中国製ギョーザによる中毒事件

中国製冷凍ギョーザによる中毒問題は、日本、中国双方にとって重大な問題を浮き彫りにしていると思われる。
この問題を巡って一部のブログや週刊誌などでは一方的な中国批判が行われ、中国でも市民の中に”日本の過剰反応”といった見方があるらしいが、双方において冷静に問題の根源までさかのぼった議論が必要であるように思う。

まず日本の問題を考える。
朝日新聞2/2付けによれば、
カロリーベースで食べ物の6割を海外に頼る日本。食料品の輸入額は昨年、約5兆3千億円。うち2割が中国からで、魚介、野菜、肉など約9100億円。10年前に比べ、輸入総額は5%増にとどまっているのに対し、中国からは50%の伸びだ。押し上げているのは焼き鳥、魚のフライ、牛丼の具など加工食品の増加だ。いわば中国が「食の簡便化志向」を支えている。
という現実がある。今後中国産への目は厳しくなっても、排除すれば安く楽しめる居酒屋などは成立しない、と言う。スーパーでも食品売り場の3~4割は中国製とされ「中国製を撤去したら、売り場は成り立たない。日本の食生活が成立しない」と言う。
偶然かもしれないが、1/31日付け朝日の2面でこの問題を報じているが、その紙面の下には現役バイヤー・調達業務研究家坂口孝則の「牛丼一杯のもうけは9円」という本の広告が載っていた。そこでは「薄利多売で終わるか?高収益となるか?それは「仕入れ」の知恵一つ!とうたわれ、「プロが空かす仕入れの丸秘テクニック」として、倒産仕入れ(倒産企業の在庫を丸ごと買い取る)、詐欺仕入れ(廃品回収と偽りお金をもらって商品を入手)などの『手法』が紹介されていた。直接中国からの食品輸入とは関係ないが、「大競争時代」のなかで、『安全』、『品質』などを犠牲にしていかに安く仕入れるかということが追求されていることが期せずして説得力を持って語られていた。

問題はこのように日本が食料の大きな割合を輸入に依存しているのにもかかわらず、国の輸入食品にたいする検査が緩いことだ。厚労省は食品衛生法に基づき、輸入野菜などは抜き取り検査で残留農薬が基準を超えているか調べている。しかし、ギョーザなど多くの原材料を使った冷凍の加工食品については残留農薬の検査はしていない(朝日1/31付け)。06年度は届け出のあった185万件のうち20万件が検査された。厚労省は監査に当たる人員を増やしていいるものの、・・・検査の割合はここ数年、1割程度にとどまっている(同上)。その背景にはアメリカの強い要求で輸入食品の検査を緩和してきた経過があるという(しんぶん赤旗2/2付け)。

中国からの輸入食品といえば思い出されるのは昨年AERAの「元商社マン、ウナギ、養蜂業者らが証言」という記事で、発がん性抗菌剤、抗生物質、農薬などを日本企業が持ち込んでいた、と書かれたことだ。この記事を引用しての『人民日報』の書き方は、悪いものはすべて日本からきたといったもので受け入れられるものではないが、日本の輸入業者に責任の一端があることは確かだろう。朝日2/1付けによれば、
食品メーカは、外食や小売業界からのコスト削減要請に応えるため、大手企業を中心に海外生産へのシフトを進める。
その中心は中国だ。・・・ 現地に駐在員を置く商社が日本メーカの要求する企画を生産できる現地企業を見つけ、品質や納期、コストの管理まで請け負う手法を確立。メーカーにとって中国での生産を「手間のかからない選択肢」に仕立て上げた。
とし、現地の従業員の衛生意識を変えるのに苦労した、という水産加工品メーカの担当者の話を紹介する。ところが、コスト面から、現地での監督に日本側から人手を割くのは難しい、という事情がある。
しんぶん赤旗2/2付けは、
問題の冷凍ギョーザは、中国河北省の「天洋食品」が製造しました。日本たばこ産業(JT)の子会社「ジェイティフーズ」が企画し、総合商社「双日」の子会社「双日食料」と「天洋食品」の三者が協同で試作・生産したものです。コストを引き下げるために、日本企業の企画・指示で海外の工場に生産させる典型的な「開発輸入」です。
安全の確保をコストの犠牲にしていなかったか。当事者はもちろん「開発輸入」に関わった企業には徹底して検証する責任があります。
と指摘している。

こうした輸入業者の問題は、裏返せば中国側の問題と関連してくると思う。
問題の「天洋食品」は設備も衛生管理の仕組みも一流であり、中国で「模範的な工場」とされていたという(朝日2/1付け夕刊)。そういう工場だからこそ輸入業者も目を付けたのだろうが、日本の商社が衛生管理まで指示をするというやり方ではたして企業として自主的な品質向上への意識が高まるのかという疑問が生ずる。
同社では製品は主に日本に輸出されていた。中国当局が「品質管理は完全で、作業員の技術は完全で、作業員の技術も高い」とお墨付きを与える優良企業だというが、それだけに国家の威信がかかってきてしまう。実際今回の事件を中国では食品安全の問題というより、企業や国家の信用失墜をねらったテロ事件として扱われているというが、それは尋常のことではない。この事件を機会に中国での食品衛生の問題を総点検するということにでもなれば、中国にとって得るものがあるだろうが、国家の威信の問題ととらえてしまうと消費者として企業に改善を求めるという事にはならないだろう。日本で赤福は営業を再開したが、消費者の信頼を失墜し、それへの反省を表明し、信頼を回復するための仕組みを作り出すなどのコストを払った。日本においても偽装問題は後を絶たないので引き合いに出すのもはばかられるが、はたして中国において、衛生管理などに失敗したら消費者の信頼が大きく失われるというインセンティブがどの程度はたらいているのかということが気になる。そこにはターゲットになる国民の衛生に関する意識の高さというファクターもあるのだが。

いずれにせよ、日本としては「開発輸入」をするのであればそこで必要な衛生管理がなされるようにする全幅の責任があるのであり、そうでないなら中国の業者を競争原理で選択することによって、中国の業者側に品質へのインセンティブを発揮させるようにし向けることが求められる。たんに安く買いたたくという姿勢に対しては今度は日本の消費者が厳しい目を向けなければならない。

忘れてならないのは、世界的な食糧問題、および地球温暖化防止という視点だ。
バイオマス発電などの影響で世界の食糧問題は逼迫してきた。いつまでもより安いものを求めて国民の生存に関わる食料の多くを輸入に頼るという状態を続けていられる保障はない。また食料の輸入は地産地消に反し、輸送にエネルギーがかかる。低炭素社会をつくるというなら、食料をできるだけ近くから調達するという方向に切り替えていかなければならない。ここで詳しく論ずることはできないが、差し迫って考えなければならない問題でもあるのだ。

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株安・円高で混乱を極める朝日社説

株安と円高が止まらない。
18日の東京株式市場は、日経平均株価の午前の終値が前日比387円67銭安い1万3395円78銭と大幅に反落し、05年10月以来、2年3カ月ぶりの安値水準となった。米景気の後退懸念と円高の進行を背景に、輸出関連企業を中心として全業種で売り注文が先行した。(asahi.com)
1/17の朝日新聞朝刊をを読んでいくと、サブプライムローン問題が各国の市場で混乱を広げ、なかでも東京市場で顕著な株安・円高になっていることを報じているが、
市場では規制緩和などの構造改革や財政再建を求める声が強いが、福田政権では改革路線が停滞しているとの失望感が強く、日本株売りに拍車をかけている。
というところで首をかしげた。経済の専門家でもない私だが「構造改革」路線を若干修正したのは今のタイミングではないし、多分に金融問題が絡んでいる今回の株安などが「改革路線の停滞」のためにおきているというのはちょっと違うのではないかと思ったのだ。金融自由化などの新自由主義的改革のもとで、高リスクのサブプライムローンの債券化などがおこったという世界の現実をも無視しているとしか思えない。
同日の社説では『株安・円高 「もろさ」克服の機会に』と題してこの問題を扱っている。
戦後最長といわれるいまの景気だが、内需の主役である個人消費はずっとさえないままだ。賃金所得が増えないのだから、それも当然といえる。輸出の好調が企業の収益を潤し、それが設備投資に回るという1本足打法の景気構造は、もともと弱さを抱えていた。
米国経済の雲行きが怪しくなり、輸出に不安がよぎれば、株価が打撃を受けるのは目に見えている。
とここまではわかる。 このあと株式市場が「外国人頼み」であること、アメリカ経済変調の深刻さなどを指摘した後で、「日本はそれにどう備えるか」と論を進めるのだが、
ひとつは、国政の停滞感を打開することだ。株安には福田首相の受け身の政治姿勢が少なからず影響している。与野党は、国会のねじれ状態を乗り越えスピード感をもって改革を進めていく、という信頼を取り戻す必要があろう。
 企業も長く異常な円安のぬるま湯につかり、輸出依存を改善できなかったことを大いに反省すべきだ。円高はこの体質の転換を促し、原油・穀物相場の高騰を和らげるプラスの効果ももつ。
 この機会にサービス部門の生産性を上げるなど、内需主導の経済成長に向けた自己改革を進めなければならない。
と結んでいるのにはやはり首をかしげざるを得ない。社説前半の「個人消費はずっとさえないままだ」、「輸出の好調が企業の収益を潤し、それが設備投資に回るという1本足打法の景気構造」が悪いという分析に全く対応していないからだ。「内需主導」をいうなら社会保障削減路線をやめ、「内需の主役である個人消費」を高める方策をとるべきと考えるのが普通だろう。
このような景気構造にした犯人こそが「構造改革」路線だったということにようやく国民の多くが気づき始めているときに、『朝日』は特定の見方にとらわれているように感じられる。もっともこの「新自由主義」には『朝日』に限らず大マスコミの多くが今まだ取り込まれてしまっているのだが。

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「9.11の謎」と「陰謀論の罠」

911_2 Photo_2 鳴澤宗男氏の「9.11の謎」と奥菜秀次氏の「陰謀論の罠」を読んだ。
9.11陰謀説は以前からあったが、なぜ読もうかと思ったかというと、私の周りで9.11陰謀説を信じたり影響を受けている人が多いことに気づいたからだ。それも平和運動や労働組合などをやっている人たちなので、なぜそんなことになっているのだろう、と不思議に思っていた。ネットなどで調べてみるとイラク戦争反対の運動で名前は知っていたきくちゆみさんなどが陰謀説を広める運動をしていることがわかった。そんなときに「陰謀論の罠」という本がでていることを知り、どうせならと「9.11の謎」のほうも読んでみようと思ったのだ。フルフォードという人が別に「暴かれた9.11疑惑の真相」というのを書いているようだが、薄い方の本を選んだのは、あまり長い時間関わりたくないと思ったからだ。実際今日も「陰謀論」に関するブログを読んでいるといつの間にか何時間も経っていた。こんな事にそんなに関わっていられるか!というのが実際、私が最後に達した結論でもある。

さて、9.11陰謀説というのは2001年9月11日にアメリカ合衆国で発生した同時多発テロ事件がアメリカの自作自演であるとするもので、そのほかに自作自演とまでは言えないがアメリカがわかっていて防ごうとしなかったというのもあるようだ。「9.11の謎」を読むと、世界貿易センター(WTC)ビルが航空機の突入を受けて崩壊してゆく様子が、航空機の衝突による衝撃では説明できないこと、当時ビルにいた人が航空機に突入前に下の方からの爆発音を聞いていたという証言があることなど、ペンタゴンやペンシルバニア州の村に落ちた航空機についても当局が説明していることには矛盾が多いことなどが例証されている。一方「陰謀論の罠」はこちらのほうが後に書かれたこともあり、それらについて、崩壊するビルは航空機の追突によるものとして説明できる、爆発音の証言はあとから否定されているなど、基本的に反論されている。それらすべてを紹介、評価することはできないが、両者を呼んでいくつか感じたことを挙げてみる。
  • 陰謀説の最も印象的なのは、航空機の衝突とジェット燃料の発火による建物のへのダメージは全壊に至らせるには不十分だ、という議論だろう。「陰謀論の罠」ではこれが可能だという。この議論について両者を読んでもどちらのほうが正しいとは判断できない。しかしDVD映像を見せてきくちゆみさんなどがこのことを説明するとかなり説得力をもってしまっているようだ(聞いた人の感想)。重要なのは反論もあるという事実を知っていることだろう。
  • ビルにつっこんだのはボーイングではない、などの映像を用いての陰謀説は、「陰謀論の罠」によりかなり反論されてしまっているようだ。
  • WTC7ビルは航空機の衝突なしに崩壊した。このことは陰謀説で爆破された証拠だと強調されている。これについても「陰謀論の罠」は反論しているのだが、私にはいまいち弱いような気がする。
  • そのほかのいろいろな議論についてもはっきり言って、あった、ない。言った、言わない、の話になってしまう。これらのそれぞれについて、自分で判断するための材料を集めるのはごめんこうむりたい。
それでは9.11陰謀説については私のような者には判断不能という事になるのか?そうは思わない。自然界の「超常現象」について、私が培ってきた自然観に基づいて”超自然的な力がはたらいた”などの見方に対して「そんなことはない」と言いうるように、社会事象についても私の考えを持つことができる。 それでは”状況証拠”を考えてみよう。

アメリカは9.11テロを自作自演で行う動機があるか。それはあると言うべきだろう。9.11後の世界は大きく変わった。アメリカは国連の合意も取り付けてアフガン戦争を起こし、イラクにも自分の気に入る政権を作ろうと戦争を仕掛けた。イラク戦争の始めるときの強引さを振り返れば、いかにアメリカが中東に軍事的影響力を広げたかったかが理解できる。中東に戦争を開始するために9.11テロを自作自演するという動機はなくはない。

それでは「9.11陰謀論」をねつ造する動機はあるか。これについて奥菜氏は「9.11テロの背後にいたのがアラブ系テロリストであり、その後政治潮流が反アラブ=親イスラエル」と流れたことで、元ホロコースト否定論者らたちが怒ったことは容易に想像できるだろう」と言っているが、こちらも一理あると言える。

次にアメリカが9.11テロを自作自演することはあり得ることかを考えてみる。
そのためにはアメリカはどのような国かを考えてみなければならない。
奥菜氏は「陰謀論の罠」の後半で世の中の陰謀論について論じている。このなかでベトナム戦争でのトンキン湾事件について、「アメリカの意図せざるでっち上げ」だったとし、アメリカの情報活動の無能力さを論じている。はたして「意図せざる」だったのか、情報機関はそんな無能力なのかと疑問を持ったが、アメリカはたとえばチリにおいても選挙ではじめて社会主義政権が誕生したとき軍隊を派遣し、クーデターを側面から支えたことがあった。アフガニスタンではソ連に対抗するためにビンラディンを支援したし、イランとの対抗上イラクを支援していたこともある。太平洋戦争末期に日本に落とした原爆にしても、ソ連の参戦期日を前にして、原爆投下によって日本が降伏したという形を作り、戦後対ソの力関係で優位に立ちたかったという有力な説もある(西島有厚「原爆はなぜとうかされたか」など)。ようするに、現代のアメリカが、自分の国(の支配層)の利益のためにテロリストを支援したり、他国に多くの犠牲を強いたりということを起こしうる国であることは間違いない。
それでは中東で戦争を起こすために、WTCを爆破することも辞さない国だろうか。私はそうは思わない
WTCでは3000人もの自国民を主としたエリート社員が犠牲になったが、そのような犠牲を生む仕掛けを作る必然性があったとは思えない。自作自演がばれることがあれば、政府がつぶれるくらいではすまないというのが、現代アメリカという国の民主主義の到達点でもある。とはいっても、それだけの必要性があり、仕掛けを作って失敗せずに実行することが可能であれば、全くあり得ないとは言えないだろう。
ここで、このことと関係するもう一つの要因は、陰謀論が書いているようなビルを爆破するための仕掛けの困難さである。奥菜氏は制御解体会社の社長の証言として「WTCビルを破壊するなら、・・・75人編成のチームで2ヶ月間自由にビルに出入り」する必要があるということを挙げているが、ビル破壊に限らず、このような大規模な仕掛けをつくり、失敗無しに実行することが可能とは思えない。
だいたいこのような理由で、私は9.11陰謀説を非常に可能性の低いことと考えている。
ただし、奥菜氏の陰謀論全般を否定する考え方など、同意できない点も多かった。

ここでもう一つ言いたいことは、平和運動などでこのような説がまかり通ることの否定的な面についてだ。
アメリカもイラクでは戦争を起こしたが、東アジアでは北朝鮮との外交交渉によって核拡散を防止しようとしている。平和運動においては世論で戦争勢力を包囲していくことが基本であるはずだ。そこには戦争勢力は世論で包囲しうるという思想がある。イラク戦争反対の世界的な運動はアメリカの戦争を思いとどまらせるまでもう一歩のところまでいっていた。そういうときに”アメリカは戦争を起こすためには自作自演テロで自国民を犠牲にすることも平気だ”という考えは、運動にも否定的な影響を与えるような気がしてならない。

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ジョンレノンの命日に官僚・政治家の想像力を考える

12/8日は日本が太平洋戦争を開始した日であり、ジョンレノンの命日でもある。
先日テレビにオノ・ヨーコさんが出演し、ベトナム戦争当時に世界の多くの都市の目立つところにWAR IS OVERという文字を広告として大きく掲示し、戦争反対をアピールした話などが紹介されていた。
Happy Xmas(War is over, if you want it)という歌はクリスマスが近づいていろいろなところで流れてもいる。「戦争は終わった。あなたがそう望むなら」というのは観念的なようだが、戦争がつづく現実に埋没してしまっている人びとへの批判になっている。
この歌が流れるとイラク戦争反対のパレードのなかで演奏しようと考えて必死になって楽譜を書き、結局実現できなかったときのことを思い出す。でもイマジンは演奏した。
イマジンの歌詞は有名だが、知らない人のために日本語訳を。
想像してごらん 天国なんて存在しないと
想像しようとすれば簡単だよ
僕達の下に地獄なんて無いんだ
ふり仰げば空があるだけさ
想像してごらんすべての人々が
現在を生きているんだと…

想像してごらん 国境なんて存在しないと
そう思うのは難しいことじゃない
殺す理由も、死ぬ理由もない
宗教なんてものも存在しない
想像してごらん すべての人々が
平和のうちに暮らしていると…

僕のことを単なる夢想家だと思うかもしれない
でも、僕ひとりだけじゃないんだ
いつの日にか 君も仲間に加わってくれよ
そうすれば 世界はひとつになるだろう

想像してごらん 所有なんて存在しないと
君にもそういう考えができるかしら
貧困になったり飢えたりする必要はない
兄弟同志なのだから
想像してごらん すべての人々が
この世界を分かち合っているのだと…

僕のことを単なる夢想家だと思うかもしれない
でも 僕ひとりだけじゃないんだ
いつの日にか 君も仲間に加わってくれよ
そうすれば、この世界はひとつになって動くだろう
最近官僚や政治家にも想像力が重要だと思うことが多い。
障害者自立支援法にサービスを利用するほど重い自己負担を強いる応益負担の仕組みが導入された。しんぶん赤旗の12/6日付けに障害者団体などの応益負担撤廃を要求する集会の記事があり、
自立支援法が逆に障害者の自立を阻害していることは、「(同法施行後)施設から退所した障害者が2006人。利用抑制など含め4658人に何らかの影響が出ているとする国の調査からも明らかだ」、「目の見えない私たちが移動するにはガイドさんが一番安心です。でも、この移動支援を利用すれば1時間歩くのに、自己負担が285円。健常者は歩いてお金取られますか。歩くだけでお金を取られるのは納得できない。
と参加者の声を紹介している。この障害者の根源的な要求の意味を厚労省の役人や自民・公明政権の政治家はよく考えてみてほしい。

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噴出する矛盾の根底に「構造改革」路線

11/29日は購読している二紙で論壇時評が掲載されていた。論壇時評は月刊誌などの論調を紹介してくれるので、そんなに多くを読めない私などにとっては便利なものだ。
朝日では杉田敦氏が専門職批判という視点からいくつか紹介している。そのなかで、元経済官僚の加藤創太氏が「行政府のリーダーである大臣が、メディアで公然と自分の直属の部下であるはずの官僚たちを罵倒に近い形で批判する」ことの異常さを指摘していることに注目。たしかに、舛添厚労相の発言などは役人を敵に回し、厚労省の責任者であるはずの大臣を国民の側に持ってきて対立の構図を作り上げている気がするし、社会保険庁の官僚・労働者にボーナスの自主的に返納させる風潮などは筋が違うのではないかと私も思う。一方
加藤によれば、いわゆる政治主導路線は、小渕内閣時の石原伸晃ら「政策新人類」登場に始まるが、それら若手政治家たちには、外資系金融機関が「専属の担当者を常時貼り付けていた」。政治主導とは市場主導であり、民営化とは私有化ではないかとの疑念につながる指摘であろう。
と紹介しているが、まさに構造改革の本質が見え隠れする。
次に注目するのはいわゆる「クレーマー」患者、「クレーマ」親問題だ。この問題など、本屋で積まれている「クレーマ」問題をのぞいたりしていると、単に批判ばかりするおばさん(失礼)にどう対処するかみたいなことだろうととらえていたら、ここにも政治の思惑があるらしきことがわかってくる。杉田は
政治家や政府が、「民意」を後ろ盾に中心的な役割を果たしている。教師は「サービス労働者」としての「消費者」の要求に従えという市場主義的な発想と、教師は公務員として政府の方針に従えという国家主義的な議論とが、教育改革論として連動している面がある。
と指摘する。
この問題でさらにつっこんでいるのがしんぶん赤旗の論壇時評だ。
朝日と同様「クレーマ」問題を特集している『中央公論』から小野田正利氏の「追いつめる親、追いつめられる学校」をとりあげている。小野田氏は学校が保護者や近隣住民から苦情を受け、それが教職員のストレスを増大させている事態の背景に「教育改革」によって学校、教職員が過度に痛めつけられていることとともに、
バウチャー制度や学校選択制の導入で学校教育を「商品」と扱い、保護者と教師を「顧客とサービス提供者」とみなす風潮が助長され、子どものために対等の立場で協力しあうという、保護者と教師の本来の関係が壊されたと「構造改革」を批判
していることを紹介する(強調は引用者)。
また、『論座』の本田由紀・高橋睦子「崖っぷちの教育界を救うために今、私たちができること」という対談を取り上げ、
政府やメディアが、教職員に「ダメ教師」などのレッテルを張る一方、学校に抗議の声をあげる保護者を「モンスターペアレント」と攻撃するなど、「教員と保護者の対立があおられている」現状に疑問を呈し、その「対立」は外部から持ち込まれた感じがすると指摘します。
と紹介、
「権力にしても資本にしても、一般の人びとが個々ばらばらのほうが扱いやすい」「それに人びとが乗ってしまうことは、本当に自分で自分の首を絞めることになると思う」という本田氏の言葉は「構造改革」推進勢力の手法を的確についています。
と指摘する。 論壇時評の評者、谷本諭氏は結びで
各分野で噴出する矛盾の根底に、「構造改革」があることを指摘する論考が目立っています。また国民の中に「対立」をつくりだすことは「構造改革」の「常とう手段」・・・ですが、そうした「分断」を乗りこえ、新たな「連帯」を模索する議論が登場し始めたことは、注目に値する(強調は引用者)
と締めくくっているが、溜飲が下がる思いがした。
(それにしても論壇時評をブログで紹介するというのは二重に引用することになってしまい、うまくない。)

この日の朝日新聞ではこのほか、『私の視点』というページで生活保護と派遣労働が取り上げられていた。
NPO法人もやい代表理事の稲葉剛氏は、厚生労働省が生活保護費見直しに入ったことに関し、受給資格を満たす多くの人が地方自治体の窓口で追い返されている現実をふまえ、
水際で受給者を絞り込んで貧困生活を強要し、その水準が低いからと今度は生活保護の水準を下げるというのでは、憲法25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」からは遠ざかる一方だ。
と指摘するがまったくその通りだ。
派遣社員の吉村宗夫氏は、生鮮食品加工センターで働いているが、日々10人ほどが日雇い派遣労働者だという。そして問題なのはこうした日雇い派遣労働者に対して、食品加工に携わるために必要な衛生管理が、派遣先できちんとできていないことだ、と指摘する。食品に触れる仕事に従事する人は、検便や健康診断などを定期的に受けることが義務づけられているが、日雇い派遣労働者はこの対象からはずれているというのだ。吉村氏は、
食の安全は、食品を扱う労働者が健康体であるというのが基本である。こうした理由から、食品の安全性が担保されない可能性がある限り、食品加工業者が日雇い派遣労働者を受け入れることを法律で禁止すべきだと考える。
と結んでいる。食品加工業に限らず、少なからぬ職場でこのような問題は生じているのではないだろうか。

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サブプライムローン問題

サブプライムローン問題が世界経済、国内経済に大きな影響を与えている。しかしこの問題経済問題をよく読んでいる人でないとなかなかわかりにくい。私なども新聞の解説記事を読んでもなかなか理解できない。私の購読している「しんぶん赤旗」の11/27付けにわかりやすい解説がのっていたので転載する。
 てぇへんだ。
ご隠居 どうしたい。
 なんか、証券会社とか銀行が、大損してるんだってよ。アメリカの何とかローンで。
ご隠居 それをいうなら、サブプライムローン。
 なんだ、それは。
ご隠居 ローンはわかるよな。
 住宅ローンなんかのあれか。
ご隠居 そう。プライムというのは、優遇という意味だ。
 サブってなんだ。サブマリンってのは、たしか潜水艦のことだよな。潜るっていう意味か。
ご隠居 近い。サブというのは、低いとか下位という意味もある。
 するってぇと、優遇が低い、つまり優遇しないローンってことか。
ご隠居 高金利ということだな。
 サラ金みたいなものか。
ご隠居 返済がこげつく恐れのある信用力の低い人向けの、金利が高い住宅融資ということになる。

「毒入り」に投資
 アメリカの話だろ。それが、何で、日本の証券会社とか、銀行に関係があるんだ。
ご隠居 そこだ。
 どこだ。
ご隠居 アメリカの住宅ローン会社は、サブプライムローンを証券化して、売っている。危険を分散するためだ。この業務を引き受けているアメリカの大手金融機関は、ほかの証券と組み合わせて売る。「毒入り」とかいわれながらも、利回りがいいから投資対象になる。
 日本の証券会社や銀行も、その「毒入り」に手を出していたということか。
ご隠居 そういうことだ。金融庁の発表によると、国内の銀行と信用金庫、信用組合が保有する米サブプライム住宅ローン関連の証券化商品は、総額約一兆三千億円(9月末時点)だという。うち、銀行が9月中間期決算で計上した評価損は約千二百億円だ。
 それだけですむのかい。
ご隠居 まだまだふくらみそうだ。アメリカでのサブプライムローンの発行額は1.5兆ドル(約160兆円)程度。このうち、7,8割が証券化され、関連商品の発行額はさらに多いと見られている。
 どの商品に「毒」が入っているかわからないということか。
ご隠居 経済協力開発機構(OECD)はサブプライムローン危機による損失総額が、最大三千億ドル(約33兆円)に達する可能性があると報告している。「まだわれわれは最悪期には至っていない」と警告している。

銀行がばくちを
 何で、そんなに危険な商品が出回るんだ。
ご隠居 まったくだ。アメリカの住宅が値上がりし続けないと成り立たない。「住宅バブル」がしぼみはじめるや、矛盾が噴き出している。問題は、米欧はじめ大手金融機関が深く関与していること。むしろ「主役」を演じているということだ。
 大損したというニュースが流れてはじめて実態がわかるということか。
ご隠居 「カジノ資本主義」とかいわれるが、1998年にアメリカの大手ヘッジファンド(国際的投機グループ)が破たんして大騒ぎになったときも、米欧の巨大銀行、証券会社がこのファンドに投融資していたことが、明るみに出た。
 やっぱり「主役」だったてぇわけか。
ご隠居 国民の大切な財産を預かる銀行がばくちに手を出してはいけない。アメリカの29年恐慌いらいの教訓が、生かされていない。教訓に逆行する規制緩和ばかりが横行するのは嘆かわしい。被害を受けるのは、いつも庶民だ。
(強調は引用者)
日本の国家予算の支出約80兆円くらいなので、約160兆円の発行額というのはものすごい額だということがわかる。「アメリカの住宅が値上がりし続けないと成り立たない」に関してwikipediaで補足しておけば、「住宅価格が上がっている場合には、債務者は住宅価格の値上がり分について、担保余力が拡大することから、その部分を担保に、新たな追加借入を受けることができた」ということになる。日本の国家予算の支出の倍にもなる証券がアメリカの住宅バブルに依存しているとは異常な事態だ。最近の石油の値上がりも投機によるものだといわれている。「金融ビッグバン」を主導した人たちはこの事態をどう考えるのだろう。

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石弘光氏の不可解な発言

Isi
「経済成長ですべてが解決でされるというような話は無責任だ。所得税の最高税率の引き上げを含めた見直しや証券税制の優遇措置廃止なども議論する必要がある。」、「法人税減税を通じた自然増収への過大な期待は禁物だ。」
これらはあの政府税調会長をつとめた石弘光氏の発言なのだから驚きだ。
朝日新聞22日付けの経済面でのインタビューで語っているのだが、まさにここで言っていることの逆をいっていたのが政府税調であり、石氏の過去の発言であったからだ。
安倍政権になって退任し、これまでいえなかったことを言っているのか、あるいはこのようなことを個人的に言い始めたために解任させられたのか、いろいろと想像してみるがわからない。
そういえばアメリカ大統領なども大統領をやめるとそれまでのアメリカの外交政策などを批判したりすることがあるが、それと似たようなところがあるのだろうか。
そういえば石氏はこれまで国民には冷たいことを言っていたが、写真を見ると「よいお父さん」、あるいは「よいおじいさん」という感じの柔和な顔をしている。しかし逆もまた真なりだ。

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